整形外科

川西市立総合医療センターは、救急医療に注力していく方針のため、整形外科疾患としては外傷による骨折治療が主となります。その為、整形外科では先ず骨折に対する早期手術を目指します。高齢化社会に伴い、高齢者脆弱性骨折（大腿骨近位部骨折・橈骨遠位端骨折・上腕骨近位端骨折など）で救急搬送される方が多くなっています。中でも大腿骨近位部骨折の手術は、多種職連携により早期手術を目指しています。手・肘などの上肢疾患を対象とした手の外科では高度医療を目指しています。2023年4月より人工関節センターが稼動しロボットを使用しての人工関節置換術を施行しています。

上肢領域の外傷や変性疾患、末梢神経障害などを中心に診療にあたっています。手を含む上肢は、ものを運んだり、また微細な動きが必要な作業をしたりと生活にかかせない様々な役割を果たしています。比較的小さい上肢の関節、筋、腱、神経の治療には、整形外科の中でも専門的な知識・技術が必要となります。当院には手外科学会専門医が在籍しており、上肢の専門的な医療を提供できるよう体制を整えています。
骨折はもちろん、腱断裂や神経断裂などの外傷、手指や手関節の変形などの変性疾患、末梢神経障害に対する治療を積極的に行っており、必要に応じて内視鏡（肘や手首用の関節鏡）を用いた手術や、神経などの微細な組織には手術用顕微鏡を用いた治療を行っています。

変形性関節症は、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、徐々に軟骨がすり減ることで、関節を動かす際の痛みが出現します。　初期には、運動療法や内服加療を行いますが、変形性関節症が進行すると、痛みに加え、関節の動きも低下します。　股・膝関節の痛みが強くなり、日常生活に支障がでる場合、人工関節置換術を行うことで、痛みがとれ、運動機能が回復し、生活の質が良くなります。
当院の特長は、コンピュータ術前計画と連動したロボット支援手術やナビゲーション手術を行うことで、高い精度で各患者様にとって最適な骨切り位置・角度、人工関節の設置を行うことが可能です。　
人工股関節置換術では、正確に人工関節を設置することで、人工関節の耐久性に良い影響を及ぼす他に、ナビゲーション非使用時と比較して、脱臼危険性を有意に減らし、患者さまにとって安心　でかつ低侵襲な手術を行うことができます。
人工膝関節置換術でも、コンピュータ術前計画と連動したロボット支援手術により正確な人工関節設置が可能です。股関節と同様に人工関節の耐久性に良い影響を及ぼします。　より良い機能予後を得るために、患者さまの膝関節の変形の度合いによって、人工関節全置換術あるいは人工関節単顆置換術を行っています。
手術後は早期にリハビリテーションを実施し、術後2-3週での退院を目指します。