形成外科
形成外科について
また他科と協同してがんの切除やその修復(乳房再建など)を行います。他に眼瞼疾患(まぶたが開けにくい、逆まつげなど)、顔面骨骨折、顔面神経麻痺後の変形、目立つ傷痕、治りにくい傷、腋臭症、ワキ多汗症、毛巣洞、陥入爪などを取り扱います。
頭のてっぺんから足先まで、赤ちゃんからご高齢の方まで体表に関してお困りの病気は形成外科で診療をいたします。
主な疾患 (詳細は項目をクリックしてください)
新鮮外傷(ケガ)、熱傷(やけど)
ケガにはすり傷や切り傷、皮膚がめくれた傷などいろいろあり、傷の状態に応じて処置の方法も様々です。顔面や手足などは衣服などで隠れていないためケガをしやすく、傷が治ったとしても傷痕が目立つことがあります。熱傷(やけど)は熱湯や火炎、湯たんぽによる低温熱傷など原因が多岐に渡ります。放置することで組織のダメージが増悪することがあります。ケガにしても熱傷にしても受傷初期または早期に適切な処置を受けることで傷痕や治療期間を最小限にとどめることができます。
顔面外傷、顔面骨骨折
顔面のケガは見た目の問題だけでなく、機能的に重要な組織(顔面を動かすための表情筋や顔面神経、知覚神経、涙の通り道である涙道、唾液を運ぶ管など)の損傷も問題となります。まぶたや眼球周囲のケガでは視力、眼球の動き、まぶたの開け閉めなどの視機能に障害をきたすことがあります。鼻や口唇のケガにより呼吸や食事、発語に支障をきたすことがあります。顔面のケガは傷の専門である形成外科での治療をお勧めします。
強い力が顔面に加わると顔面骨骨折を生じます。顔面骨は複数の骨で構成されており、骨折部位によって特有の症状を呈します。顔面の変形や症状の程度によって手術による整復が必要となります。顔面骨骨折は受傷から2週間以上経過すると整復手術が困難になりますので骨折がある場合または疑わしい場合はできるだけ早期の受診をお勧めします。
傷痕・肥厚性瘢痕・ケロイド、瘢痕拘縮
外傷や熱傷、手術の後にみられる傷痕を瘢痕と言います。多くの場合、瘢痕は傷が治ってから半年から1年以上経過すると軟らかく平坦になり、赤みが消失し目立ちにくくなります。しかし、受傷を受けた状況や傷の深さ、部位、面積、体質、年齢などによって傷痕が赤く隆起した肥厚性瘢痕や当初の瘢痕の範囲を超えて拡大するケロイドに増悪することがあり、痛みや痒みを伴うことがあります。これらの治療には内服やステロイドが含有された軟膏の塗布やテープの貼付、ステロイドの局所注射や外科的切除及び術後の電子線照射などがあります。疾患に応じれこれらの治療を組み合わせて行います。当院では電子線照射が実施できないため必要に応じて他院での治療をお願いすることがあります。
瘢痕拘縮は傷痕がひきつれた状態です。関節部に生じると関節の動きが制限され、顔面に生じると目立つ変形や機能障害をきたすことがあります。瘢痕拘縮に対しては拘縮を解除し、植皮術や皮弁術、血管吻合による組織移植術などを用いて見た目および機能を改善します。
皮膚腫瘍、皮下腫瘍
数か月以上経過しても残存している皮膚のできものや皮下のしこりは腫瘍の可能性があり、その場合待っていても自然消失は期待できません。飲み薬や塗り薬で治癒しない場合は手術による切除が必要な場合があります。形成外科で取り扱う腫瘍は表皮嚢腫(粉瘤ともいう。中に垢などの角質物がたまる袋状のできもの)や脂肪腫(皮膚の下の脂肪層にできる脂肪のできもの)、皮膚が突出したできもの(軟線維腫や尋常性疣贅など)、ホクロや脂漏性角化症などの黒色や褐色のできものなどがあります。また皮膚癌の外科的治療も行います。見た目が気になる、痛みや痒みなどの症状がある、悪いものかどうか心配になる皮膚腫瘍、皮下腫瘍があれば当科をご受診ください。
眼瞼下垂、その他の眼瞼疾患
眼瞼下垂はまぶたが開けにくく視野が狭くなる疾患です。主な原因としては生まれつきや老化に伴う筋力の低下、皮膚の弛みなどが挙げられます。稀に神経や筋肉の病気が原因となることがあります。治療は手術を中心に行い、緩んだ皮膚を切除する方法やまぶたを持ち上げる筋肉を調整する方法、筋膜などを移植して前頭筋(眉毛を上げる筋肉)の力でまぶたを持ち上げる方法などがあります。その他の眼瞼疾患としてまつげが眼球に当たる睫毛内反(逆まつげ)やまぶたの外反、まぶたが閉じられない兎眼なども治療いたします。
乳房再建、その他の再建
乳房再建は乳癌の切除手術に伴う乳房変形に対し人工物(組織拡張器およびシリコンインプラント)や自家組織移植(背中や腹部の組織を移植する方法)を用いて乳房形態を元の状態に戻す治療です。乳癌切除術と同時に行う1次再建と乳癌の切除術が終わってしばらく経過した後に行う2次再建があります。年齢や体型、乳房形態によって再建方法のメリットデメリットは異なります。これから乳癌の手術を受けられる方、すでに手術を受けて乳房変形を生じている方で乳房再建を希望される方、一度お話を聞きたい方は形成外科外来(月曜日、水曜日)を受診してください。
他に副乳や陥凹乳頭の治療も行っています。
また乳房再建以外にも植皮や皮弁、血管吻合付きの組織移植などの技術を用いて腫瘍切除後や外傷などにより生じた組織欠損を治療し、整容面の改善や機能回復、治療期間の短縮に努めます。顔面は機能的に重要なだけではなく、個人の識別に関わる社会的に影響の大きい部位であるため術後のQOLを向上させるために形成外科の高度な手術手技や工夫を用いて再建する必要があります。また上肢、下肢は日常動作に必要不可欠な部位であるため機能回復を目標に再建を行います。
顔面神経麻痺
顔面神経が麻痺すると顔面の表情筋が部分的または全体に弱くなったり、動かなくなります。原因は様々ですが、発症初期は耳鼻咽喉科で診察、検査、治療が行われます。耳鼻咽喉科での治療後に表情筋の弛緩(脱力による下垂や変位)、病的拘縮(顔面のこわばり)、病的共同運動(意図に反してまぶたが閉じたり、口が動くなど)などが生じた場合に外科的治療を行うことがあります。当院では眉毛挙上や眼瞼形成、口角形成などの静的再建を行っております。
先天異常
指の数が多い多指(趾)症や指がくっついた状態の合指(趾)症、先天性の眼瞼下垂、副耳(耳の前の突起)、耳瘻孔(耳周囲の小さな穴)、耳垂裂(耳たぶが一部割れた形態)、埋没耳、立ち耳などの治療を行います。
その他
ワキ多汗症(ボトックス加療)、腋臭症(わきが)、臀部の毛巣洞、陥入爪などの治療を行っております。
医師紹介
藤原 敏宏
- 専門分野
- 一般形成外科、乳房再建、眼瞼下垂、眼瞼疾患
- 所属学会・資格
- 日本形成外科学会専門医・指導医
日本創傷外科学会専門医
日本形成外科学会認定皮膚腫瘍外科指導医
日本形成外科学会認定再建・マイクロサージャリー指導医
日本形成外科学会認定レーザー分野別指導医
乳房再建用エキスパンダー・インプラント責任医師
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷治癒学会
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
臨床研修指導医
- 好きなもの・こと
- 弓道
- 所属学会・資格
- 日本形成外科学会専門医・指導医
日本創傷外科学会専門医
日本形成外科学会認定皮膚腫瘍外科指導医
日本形成外科学会認定再建・マイクロサージャリー指導医
日本形成外科学会認定レーザー分野別指導医
乳房再建用エキスパンダー・インプラント責任医師
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷治癒学会
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
臨床研修指導医
高井 洋輝
- 専門分野
- 形成外科一般
- 所属学会・資格
- 日本形成外科学会
ボトックス施注資格
(重度の原発性腋窩多汗症、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣)
緩和ケア研修会修了
- 好きな食べ物
- お野菜
- 所属学会・資格
- 日本形成外科学会
ボトックス施注資格
(重度の原発性腋窩多汗症、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣)
緩和ケア研修会修了